身体への指令を出すのは「自分自身」

 前回のブログで「頭と脊椎が動きやすくなることで自分全体が動きやすくなること」を手を使って模擬的に体験していただきましたが、実際にどのようにすれば自分のやりたいことに対して身体が動きやすくなるのでしょうか。各自で確かめることができるワークを紹介します。

  1.  簡単な動作(例:物を持つ、椅子に座る、字を書く等)を1つ決める。
  2.  1の動作をいつも通りにして、その時の動きやすさや身体の状態を覚えておく。
  3.  「頭が脊椎の上で動かない(固定されている)」と思って1の動作を行っていつも通りとの違いを比べる。
  4.  「頭が脊椎の上で自由に動く」と思って(ただしわざわざ動かす必要はない)1の動作を行い「いつも通り」、「頭が動かない」状態と比べてみる。

 いかがですか?多くの方が「頭が脊椎の上で自由に動く」と思ったほうが動きがスムーズに行えたと思います。

 ところが、同じ動作を続けていると、最初こそ動きやすく感じていても、だんだん元の動きにくい状態になっていくことを感じた方もいるのではないでしょうか。それは仕方がないことです。なぜなら、あなた方が今まで習慣的に動いていた動きに「全身が」戻そうとするからなのです。つまり、今までの動き方が「正しい」と思い込んでいる、または「慣れている」のでどうしても今までの動きに近づけようと脳が指令を出してしまうのです。

これを防ぐためには自分の身体に向けての指令、つまり「自分の身体に対する言葉かけ」を変えてみる必要があります。そして、その言葉を発するのは「(身体を)使う人本人」つまり「自分自身」です。初めのうちこそアレクサンダーテクニーク教師の指示で身体を動かしているように思っているかもしれませんが、教師はあくまでも「お手伝い」をしている存在で、実際に指示を出しているのは「自分自身」であることを自覚していただいた方が、より動きやすくなることを感じやすくなると思います。

 とはいうものの、「具体的にどんな言葉をかけたらいいの?」と思われる方もいると思いますので、私がオンライングループ実習レッスンで扱った「言葉かけ」の具体例を一部紹介しようと思います。

 「言葉かけ」の一例 

・頭と脊椎が常に動いていることを思って

・脊椎が柳のようにしなやかに動く

・首が楽になることを思って

・頭が脊椎から離れていくことを許して

・頭の中で小舟が静かにゆれています

・背骨が鎖のようにゆれています

 他にもいろいろな「言葉かけ」が考えられますが、より自分自身が動きやすくなる「言葉かけ」を見つけてより動きやすくなった自分自身を楽しんでみてください。

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